フロンティア

この程までB’z一辺倒、B’z至上主義を振りかざしていた私が、最近、ミスチルを聴いています。B’zを聴き始めると同時に、ミスチル、というよりボーカル桜井を煙たく思うようになり、たまにテレビで見かけると、「何だこの歌い方は!キザすぎる、この流し目は一体何のつもりだ!!もっとシャキっとせえシャキっと!軟派だ君は!」と強く感じていました。恐ろしい限りです。
ミスチルを敬遠していたのは、ボーカル桜井のキザさ、そしてただB’zを聴くのに忙しかったという理由だけ。でもって最近、B’zから乳離れした私はゆとりがでてきて、とにかく、あらゆるジャンルを試してみようと。J-POPと呼ばれる範囲で、かつ興味関心が沸いたものをどんどんCDに落としていくことにしたんです。ミスチルを借りたのは、日本のミュージックシーンで長らく勢力保持しており、信頼できる(?)ということ、ミスチル好きなとあるはてなダイアラーの影響を受けたから。あまり期待らしい期待はしていなかったのですが・・想定外の素晴らしさでした。何と言っても歌詞がいい!B'zにはない一般大衆染みた歌詞が共感を呼ぶんですよねー。「TIME」「さよならなんかは言わせない」「いつかのメリークリスマス」「Wonderful Opportunity」なんかはB'zの中でも共感し易い部類だと思うのですが、「快楽の部屋」「JAP THE RIPPER」に至ってはもう何言うてへんがな〜の世界ですwえーと、まあベスト盤という究極の選りすぐりの中で決めるのもナンですが、「LOVE」や「星になれたら」なんかが素敵だと。



振り向けば 心の隅に君がいて
I want smiling your face いつもそれだけで
投げやりな気持ちが空に消えてくよ
でも“愛してる”とは違ってる
ちっぽけなプライドも遠慮もいらない
束縛やヤキモチはちょっぴりあるけど
燃えるよな恋じゃなく ときめきでもない
でもいいじゃない
それもまた一つの Love・・・Love・・・Love・・・
( LOVE より一部抜粋)


強気な女の子(でも本当に不思議だ。なぜ天気予報よりも嘘つきなのか。その気もないのに男の子を誘うんだろう。悪女だ)に振り回されるちょっと立場弱めな男の子。女の子の視点から綴ったらただの暴力記にしかとれませんが、あと一歩という今ひとつ弱い立場からアプローチする男の子の、彼女や恋愛を細やかに綴っている点。ちょっぴりあるけど、の「ちょっぴり」が控えめ感溢るる、好感度抜群の健やかな青年像を思わせます。この曲を聴くたび、少しほろ苦い、淡い恋心を共有しているような気分になるんですよねー。何となく、韓国の映画「猟奇的な彼女」を思い出します。あの女の子は本当に暴力的だったなあ。決して猟奇的なんて婉曲臭いものではなく。


長く助走をとった方が
より遠くに 飛べるって聞いた
そのうちきっと 大きな声で 笑える日が来るはず
動き出した僕の夢 深い谷越えて
虹になれたらいいな
・・・・・・・・・・・・・・・・
そのうちきっと 大きな声で
笑える日が来るから
動き出した 僕の夢 高い山越えて
星になれたらいいな
虹になれたらいいな
( 星になれたら より一部抜粋)


6月からフィリピンへ留学した親友がいますが、状況設定がぴったりなので驚くほど共感できました。彼女は世話好きで、純粋で正直、かつ志が高く、やろうと思ったことは最後までやり抜く、まさに根性のひと。そんなひととなりなので当然友人の信頼も厚く、まさに「いいひと」の代名詞的存在だったので、1年間も離れ離れ、一緒に卒業できないというのはかーなーり残念です。けど、彼女は多分にもっと辛い。しかし、夢を追うために外に目を向けるというあり方がこの曲にマッチしていました。そして私自身も、1年後の今、再会した喜びで笑っているんだろうなと考えたりするわけです。重ねて残念なのは、彼女の送別会のときに、この曲を歌ってあげれなかったこと。本当に悔しいです。帰ってくるころにはひと山もふた山も高い山も越えて逞しくなってきているんだろうなと思うと、まさにこの曲は彼女への餞として相応しいとしみじみ感じます。新しい物事にチャレンジする人の背中を押す、秀逸な曲ですね。

ちなみに、影響を与えたはてなダイアラーさんは初期のラブソング系より、中期以降の、応援ソング系のミスチルが好きだそうな。そう言われると、私も聴きたい聴きたい!と思うのですが、今はこの初期のラブソング系にどっぷり浸かっております。あー。